ご報告

年々深刻さを増す異常気象。日本では夏40度を超える地域が増え、9月末日まで続く30度を超える猛暑、世界でも夏場(6月~8月)の平均気温が観測史上最高となり、国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と述べました。

私たちはますますの危機感を持って、今年の「匠の環」交流会のテーマを「どうする?気候変動 ~人の和、知恵の輪、地域の環」として開催しました。

県内各地で地道な環境活動を行っている「匠」たちの参加のもと、ゲスト4名の事例紹介と25団体の紹介、そしてご参加いただいた約80人のみなさまと、交流する機会を持つことが出来ました。当日は、来賓の山下真奈良県知事、仲川げん奈良市長にご挨拶をいただきました。山下知事からは、2024年度から脱炭素に向け本腰を入れていく、仲川市長からは、次世代への責任として実効性のあるゼロカーボンシティ宣言をしたという力強いお言葉を頂きました。谷副理事長の挨拶でもありましたように、産官学民一体となった脱炭素の先進地域を奈良で実現していくことが期待されます。

ご参加・ご協力いただきました各地球温暖化対策地域協議会のみなさま、各自治体職員のみなさま、NPO等団体のみなさま、市民のみなさま、ありがとうございました。

今後も共に脱炭素で持続可能な社会を次世代に引き継いでいくために、奈良の地より連携の「環」を拡げていくため、取り組んでいきたいと思います。

匠の環、それからのようす
匠の環、それからのようす
匠の環、それからのようす
匠の環、それからのようす

事例紹介

本年度のテーマに基づき、「人の和、知恵の輪、地域の環」を拡げる取り組みとして4事例をご紹介いただきました。

事例紹介のようす
竜田川流域の美しい街まもり隊(髙峯 幹男さん)

竜田川周辺の清掃やツツジ等の剪定、コスモス等の植栽を15年間にわたり、近隣住民の会員とともに定期的に続けてこられました。地域の皆さんに美化の意識が浸透している反面、資金難や後継者不足といった課題についてもお話がありました。

事例紹介のようす
生活協同組合コープ自然派奈良(上市 佳織さん)

食と気候変動の関係、日本は食糧自給率が低いうえに農業の経営難・生産者不足など、食料安全保障が危機的状況にあることを踏まえ、自給率向上のためコープ自然派での有機農産物を広め、担い手を育成する取り組みについて説明がありました。

事例紹介のようす
一般社団法人 市民エネルギー生駒(楠 正志さん)

10年間の歩みとして、市施設の屋根等を活用した5基の太陽光市民共同発電所(市民出資)の設置と、その収益を生かした災害時支援など地域還元を重視し、生駒市と連携したまちづくりをすすめる取り組みについてお話がありました。

事例紹介のようす
NASO環境学習サポーター(小澤 京子さん)

小学校での環境学習の取り組みとして、今年から始まった葛城市と広陵町の全小学校における環境出前授業のためのサポーター育成や教材開発についての紹介、子どもたちを通じた啓発効果の重要性について説明がありました。

団体紹介

県内で活動する様々な団体、25団体にご参加いただき紹介を行いました。テーマに合わせた取り組み等の紹介、地球温暖化対策地域協議会の活動の様子や自然環境保全の取り組み、環境教育、環境とエネルギーについて、3Rの活動、金融機関の取り組みや地域に根ざした活動などをご紹介いただきました。それぞれの団体みなさまの活動への思いを知る機会となりました。

団体紹介のようす
団体紹介のようす
団体紹介のようす
団体紹介のようす

交流会

交流会では、「どうする?気候変動 ~人の和、知恵の輪、地域の環~」をテーマに4グループに分かれ、意見交流を行いました。参加者の自己紹介と団体紹介、ゲストへの質問などのあと、日ごろの生活や取り組みの中での疑問や困りごとと、それに対するアイデアなど、参加者同士の情報を共有し意見交流をすることができました。

「交流会」のようす
「交流会」のようす
「交流会」のようす
「交流会」のようす

終了後、全員ホールに集まって交流会の内容を共有しました。

最後は、共催の近畿労働金庫からのお礼の挨拶で終了しました。

「交流会」のようす
「交流会」のようす
「交流会」のようす
「交流会」のようす

参加者の声

来場者アンケートには、「知事と奈良市長から現状と力強い意気込みを聞けたのが良かった。」「たくさんの団体が環境について熱心に取り組んでいる様子が伝わってきた。」「環境団体の交流会は続けていただきたい。」「勉強になった。また参加させて頂きたいです。」などの意見があり、多くの方々から好評をいただきました。

また、参加団体の活動紹介や交流会を通して、「市民共同発電所は未来都市に向けて他の地域にも普及したら良いと思う」「奈良県の農業、食、給食への問題が浮き彫りになり、行政の改革の必要性を感じた」「出前授業の立ち上げ、苦労、反省会、多くの現状がわかった」「もう少し若い世代が入ってくれたらと思う」などの感想をいただきました。

このつながりを大切にし、脱炭素社会実現に向けた具体的な行動に取り組む皆さまの活動の一助となれば幸いです。